专利摘要:
(i)薬剤(PA)としてのN−{5−[(シクロプロピルアミノ)カルボニル]−2−メチルフェニル}−3−フルオロ−4−(ピリジン−2−イルメトキシ)ベンズアミド、またはその薬学的に許容される塩および(ii)分解して酸性微小気候を作るポリマーを含むデポ製剤であって、該PAがポリマー分解により該ポリマーから遊離される、デポ製剤。
公开号:JP2011516535A
申请号:JP2011503502
申请日:2009-04-09
公开日:2011-05-26
发明作者:イアン・アルン・ナッシュ;ニコラ・フランシス・ベイトマン;フィリップ・アレクサンダー・マクフォール
申请人:アストラゼネカ・アクチエボラーグAstrazeneca Aktiebolag;
IPC主号:A61K31-44
专利说明:

[0001] 本発明は、N−{5−[(シクロプロピルアミノ)カルボニル]−2−メチルフェニル}−3−フルオロ−4−(ピリジン−2−イルメトキシ)ベンズアミド、またはその薬学的に許容される塩を含むデポ製剤(pharmaceutical depot)、および該デポ製剤の使用に関する。]
背景技術

[0002] WO−A−2005/061465は、N−{5−[(シクロプロピルアミノ)カルボニル]−2−メチルフェニル}−3−フルオロ−4−(ピリジン−2−イルメトキシ)ベンズアミド、およびその薬学的に許容される塩を含むアミド誘導体を開示し、該アミド誘導体が、サイトカイン類、例えば腫瘍壊死因子(以下、TNF)、例えばTNFα、およびインターロイキン(以下、IL)ファミリーの種々のメンバー、例えばIL−1、IL−6およびIL−8(特にIL−1)の産生阻害剤であることを教示している。特に、WO−A−2005/061465に開示された該アミド誘導体が、単一の生物学的過程に対する作用のみによってこれらの薬理学的活性を示すように暗示するつもりはないが、本アミド誘導体は、酵素p38キナーゼの阻害によって、これらのサイトカイン類の効力を阻害すると考えられる。p38キナーゼ(サイトカイン抑制性結合タンパク質としても知られる。以下、CSBP)および再活性化キナーゼ(以下、RK)はマイトージェン活性化タンパク質(以下、MAP)キナーゼファミリーの酵素のメンバーであり、電離放射線、細胞毒性剤、および毒素、例えばエンドトキシン類、例えば細菌リポポリサッカライド、および種々の薬剤、例えばサイトカイン類、例えばTNFαおよびIL−1への暴露により誘発されるような生理学的ストレスにより活性化される。p38キナーゼが、サイトカイン類、例えばTNFαおよびIL−1の生合成および除去に至る酵素的工程のカスケードに含まれるある種の細胞内タンパク質をリン酸化することが知られている。]
[0003] WO−A−2005/061465に開示されたアミド誘導体は、それ故、過剰のサイトカイン類の産生、例えばTNFαまたはIL−1の産生が起こる疾患または医学的状態の処置に有用であると考えられる。かかる疾患および医学的状態は、炎症性およびアレルギー性疾患、例えば関節の炎症(特にリウマチ性関節炎、骨関節症および痛風)を含む。]
[0004] 疾患および医学的状態、例えば関節の炎症の処置のために、該アミド誘導体を、直接処置を必要とするその部位(例えば関節)に、好ましくはその部位でのアミド誘導体の制御されたおよび/または持続的な放出が達成されるように投与するのが望ましい。それ故に、かかる投与に適する形の、例えばデポ製剤のためのN−{5−[(シクロプロピルアミノ)カルボニル]−2−メチルフェニル}−3−フルオロ−4−(ピリジン−2−イルメトキシ)ベンズアミド、またはその薬学的に許容される塩を含む製剤または組成物に対する要求がある。]
[0005] WO−A−2005/061465には、そこに記載されたアミド誘導体が、例えば経口または局所使用、吸入または吹き入れ(insufflation)による投与、または非経腸投与に適する形の医薬組成物に包含され得ることが示唆されているが、WO−A−2005/061465には、そこに開示されたアミド誘導体を含むデポ製剤は記載されておらず、ましてや、N−{5−[(シクロプロピルアミノ)カルボニル]−2−メチルフェニル}−3−フルオロ−4−(ピリジン−2−イルメトキシ)ベンズアミド、またはその薬学的に許容される塩を含むデポ製剤は記載されていない。]
[0006] 本発明によって、(i)薬剤(PA)としてN−{5−[(シクロプロピルアミノ)カルボニル]−2−メチルフェニル}−3−フルオロ−4−(ピリジン−2−イルメトキシ)ベンズアミド、またはその薬学的に許容される塩および(ii)分解して酸性微小気候(microclimate)を作るポリマーを含むデポ製剤であって、該PAがポリマー分解により該ポリマーから遊離されるデポ製剤を提供する。]
[0007] 本発明のデポ製剤において、薬剤(以後PA)はN−{5−[(シクロプロピルアミノ)カルボニル]−2−メチルフェニル}−3−フルオロ−4−(ピリジン−2−イルメトキシ)ベンズアミド、またはその薬学的に許容される塩である。それ故に、本明細書でPAを言うときは、化合物N−{5−[(シクロプロピルアミノ)カルボニル]−2−メチルフェニル}−3−フルオロ−4−(ピリジン−2−イルメトキシ)ベンズアミドそれ自体、ならびにその薬学的に許容される塩を含む。]
[0008] 当業者には認識される通り、デポ製剤は、PA、特に薬学的に有効量のPA(ここではN−{5−[(シクロプロピルアミノ)カルボニル]−2−メチルフェニル}−3−フルオロ−4−(ピリジン−2−イルメトキシ)ベンズアミドまたはその薬学的に許容される塩)を、それに包含されるPAの制御されたおよび/または持続的な放出投与を提供するように、放出する組成物である。]
[0009] N−{5−[(シクロプロピルアミノ)カルボニル]−2−メチルフェニル}−3−フルオロ−4−(ピリジン−2−イルメトキシ)ベンズアミドは次の構造:



を有し、WO−A−2005/061465で実施例5−yとして開示されている。]
[0010] 本発明のデポ製剤に包含するための、N−{5−[(シクロプロピルアミノ)カルボニル]−2−メチルフェニル}−3−フルオロ−4−(ピリジン−2−イルメトキシ)ベンズアミドの適当な薬学的に許容される塩は、望まない薬理学的活性がなく、そして過度の毒性が無く、対象、例えば温血動物、例えばヒトに投与するのに適するとの合理的な医学的判断に基づく。適当な薬学的に許容される塩は、酸付加塩、例えば無機または有機酸、例えば塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、トリフルオロ酢酸、クエン酸、マレイン酸、酒石酸、フマル酸、ヘミフマル酸、コハク酸、ヘミコハク酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、ジメタンスルホン酸、エタン−1,2−スルホン酸、ベンゼンスルホン酸、サリチル酸または4−トルエンスルホン酸との酸付加塩である。好ましい酸付加塩は、塩酸との、すなわちN−{5−[(シクロプロピルアミノ)カルボニル]−2−メチルフェニル}−3−フルオロ−4−(ピリジン−2−イルメトキシ)ベンズアミド塩酸塩を提供するための酸付加塩である。]
[0011] N−{5−[(シクロプロピルアミノ)カルボニル]−2−メチルフェニル}−3−フルオロ−4−(ピリジン−2−イルメトキシ)ベンズアミド、およびその薬学的に許容される塩は、適当な出発物質から、有機化学の標準法を使用して、例えばWO−A−2005/061465に記載する通り、製造し得る。例えば、N−{5−[(シクロプロピルアミノ)カルボニル]−2−メチルフェニル}−3−フルオロ−4−(ピリジン−2−イルメトキシ)ベンズアミドを、N−{5−[(シクロプロピルアミノ)カルボニル]−2−メチルフェニル}−3−フルオロ−4−ヒドロキシベンズアミドと2−クロロメチル−ピリジン塩酸塩の、適当な塩基(例えば炭酸カリウム)存在下での反応により製造し得る。N−{5−[(シクロプロピルアミノ)カルボニル]−2−メチルフェニル}−3−フルオロ−4−(ピリジン−2−イルメトキシ)ベンズアミドと塩酸の反応は、塩酸塩を提供する。]
[0012] 本発明のデポ製剤は、本PAの治療的濃度を長時間にわたり維持するための、制御されたおよび/または持続的な放出製剤を使用した本PAの投与を可能にする。これは、特に本PAの関節への直接投与、すなわち関節内投与について望まれ、投与頻度を減らし、本PAの簡便な投与方式を提供するため、有利である。制御されたおよび/または持続的な放出製剤はまた、特定のPAと関連する何らかの望まない副作用の重症度および頻度も軽減できる。投与の簡便さの改善および副作用の頻度および重症度の軽減は、次にはまた患者コンプライアンスを高める。]
[0013] PAで表される化合物は、主に製剤での制御されたおよび/または持続的な放出および/または関節内投与に必要な化合物の不安定性のような因子により、デポ製剤用には不適であることが判明している。本発明者らは、本発明のデポ製剤に包含される本PAが、それに包含されるポリマーの分解により作られる酸性微小気候中で加水分解的に安定であり、それ故、本PAが本デポ製剤に包含されるのに適当であることを驚くべきことに発見した。さらに、本発明者らは、本発明のデポ製剤に包含される本PAが、本PAの有効な制御されたおよび/または持続的な放出を提供するように、投与部位、例えば関節で本PAの持続した局所高濃度で提供されることを発見した。言い換えると、本デポ製剤は、長期作用を達成するために、本PAをゆっくり放出するのに有効である。]
[0014] 有利に、本PAは、その包含前に、何らの化学的修飾を必要とせず本発明のデポ製剤に包含され得る。]
[0015] 当業者には認識される通り、“薬剤”(またはPA)は、それが投与された対象、例えば温血動物、例えばヒトに、例えば疾患または医学的状態を処置するように、薬理学的効果をもたらす薬剤である。上記の通り、本発明のデポ製剤のPAは、酵素p38キナーゼの阻害によりサイトカイン類(例えばTNF、例えばTNFα、およびILファミリーの種々のメンバー、例えばIL−1、IL−6およびIL−8)の阻害の手段により薬理学的効果をもたらすと考えられる、N−{5−[(シクロプロピルアミノ)カルボニル]−2−メチルフェニル}−3−フルオロ−4−(ピリジン−2−イルメトキシ)ベンズアミド、またはその薬学的に許容される塩である。]
[0016] 本発明のデポ製剤に包含される本PAは、炎症性疾患または状態、例えば関節の炎症により引き起こされる状態、例えば急性および慢性両方の滑膜炎症が起こり得る骨関節症の処置に有効である。骨関節症(変形性関節症または変性関節疾患としても知られる)は関節炎の最も一般的な形態であり、世界中に多くの罹患者がおり、骨関節症処置のためのPAの送達のための改善された製剤が非常に望まれる。]
[0017] 当業者は認識する通り、本PAは、本発明のデポ製剤に治療的有効量で存在する。“治療的有効量”は、本PAが有効である疾患または医学的状態を有する対象に投与したとき、該疾患または医学的状態の軽減、寛解、または緩解をもたらすのに有効な、本PA(例えば本デポ製剤中に包含された)の量である。]
[0018] 本デポ製剤に包含される本PAの治療的有効量は、処置する障害の性質および重症度および処置する特定の患者によって、医学の既知原則に従い必然的に変わる。加えて、本デポ製剤に包含される本PAの治療的有効量は、望む制御されたおよび/または持続的な放出プロファイルによって、例えばPAの放出が必要な期間およびその期間に望まれるPAの濃度によって必然的に変わる。]
[0019] 本PAに加えて、本発明のデポ製剤は、分解して酸性微小気候を作るポリマー、例えば水の存在下で分解して酸性微小気候を作るポリマーを含む。これにより、我々は、化学的に分解または破壊され、本デポ製剤が投与された小さな局所領域(例えば関節)に酸性pHをもたらすポリマーを意味する。好ましくは、酸性pHは局所領域で本質的に均一であり、生理学的pH(典型的に約pH7.4)であり得る周辺領域と異なる。酸性pHは、典型的に約7.4未満のpH、例えば約1〜約7、例えば約3〜約7;簡便には約1〜7未満または約3〜7未満の範囲のpHである。]
[0020] 典型的に、本PAは、本PAが本ポリマーが経時的に分解され酸性微小気候を作るにしたがって本ポリマーから連続的に放出されるように、本ポリマー内に分散または封入されている。本発明のデポ製剤に包含される本PAは、本ポリマーの分解により作られる酸性微小気候で加水分解的に安定であることが判明している。本ポリマーからの本PAの遊離は、本デポ製剤が投与された対象、例えば温血動物、例えばヒトへの本デポ製剤からの本PAの制御されたおよび/または持続的な放出を提供する。好ましくは、所望の治療効果を誘発するための高局所濃度(すなわち本デポ製剤が投与された領域、例えば関節での)および本PAの全ての望まない全身毒性を軽減するための低全身濃度が、本ポリマーの分解および本PAの遊離により達成される。それ故に、本デポ製剤は、特定の疾患または医学的状態を長時間にわたり処置するために有効な濃度で、本PAを対象に送達する。]
[0021] 本ポリマーが分解して酸性微小気候を作る限り、すなわち対象、例えば温血動物、例えばヒトへの投与により酸性微小気候を作る限り、そして生分解性および生体適合性である限り、全ての適当なポリマーを本発明のデポ製剤に使用し得る。]
[0022] 当業者には認識される通り、用語“生体適合性”により、我々は、毒性、傷害性、または生理学的反応性ではなく、そして免疫学的拒絶を引き起こさないことにより生存組織または生物系と適合性である物質を意味する。]
[0023] 用語“生分解性”により、我々は生物学的環境で分解される物質を意味する。]
[0024] 例えば、ポリマーは、ポリマー全体が生物分解され、使用後に、すなわちPAの全てが放出された後に除去される必要がないように、“生分解性”であり得る。かかるポリマー類は、生物学的条件下(例えば温血動物、例えばヒトの組織で見られる水および生物学的酵素存在下)破壊されて非毒性、生体適合性および/または生分解性生成物を生じる、加水分解性であり、酵素により開裂可能なエステル架橋を含み得る。あるいは、ポリマーは、生物学的環境で有限の半減期を有することにより、“生分解性”である。例えば本ポリマーは、1〜12ヶ月、例えば1〜6ヶ月の半減期を有し得る。]
[0025] 典型的に、本ポリマーは少なくとも1個の酸性官能基または、反応して酸性官能基を生じ得る少なくとも1個の官能基、すなわち塩基性官能基、例えばアミンにプロトンを付与できる基である酸性官能基を含む。酸性官能基の適当な例は、カルボン酸基(すなわち−CO2H)およびスルホン酸基(すなわち−S(O)2OH)を含む。反応して酸性官能基を生じ得る官能基の適当な例は、エステル類(すなわちRC(O)ORであって、ここで、Rはアルキルまたはアリールであり得る)を含み、このエステル類は水と反応して対応するカルボン酸基とアルコールを生じ得る。]
[0026] 好ましくは、本ポリマーは、約30〜90日間にわたり分解し、本PAを遊離するように選択する。例えば、本ポリマーは、約30日間、約60日間または約90日間にわたり分解し、本PAを遊離し得る。例えば、本ポリマーは、約120日間、約150日間または約180日間にわたり分解し、本PAを遊離し得る。]
[0027] 適当なポリマー類は、ヒドロキシ脂肪酸のポリエステルおよびその誘導体(例えばポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリクエン酸、ポリリンゴ酸、ポリ−β−ヒドロキシ酪酸、ε−カプロラクトン環開環ポリマー、乳酸−グリコール酸コポリマー、2−ヒドロキシ酪酸−グリコール酸コポリマー、ポリ乳酸−ポリエチレングリコールコポリマーまたはポリグリコール酸−ポリエチレングリコールコポリマー)、アルキルα−シアノアクリレートのポリマー(例えばポリ(ブチル2−シアノアクリレート))、ポリアルキレンオキサレート(例えばポリトリメチレンオキサレートまたはポリテトラメチレンオキサレート)、ポリオルトエステル、ポリカーボネート(例えばポリエチレンカーボネートまたはポリエチレンプロピレンカーボネート)、ポリオルト−カーボネート、ポリアミノ酸(例えばポリ−γ−L−アラニン、ポリ−γ−ベンジル−L−グルタミン酸またはポリ−γ−メチル−L−グルタミン酸)、ヒアルロン酸エステルなどを含み、1個以上のこれらのポリマー類を使用できる。]
[0028] ポリマー類がコポリマー類であるならば、それはランダムコポリマーでも、ブロックコポリマーでも、グラフトコポリマーでもよい。上記α−ヒドロキシカルボン酸類、ヒドロキシジカルボン酸類およびヒドロキシトリカルボン酸類がその分子内に光学活性を有するならば、D−異性体、L−異性体およびDL−異性体のいずれか一つを使用し得る。とりわけ、α−ヒドロキシカルボン酸ポリマー(好ましくは乳酸−グリコール酸ポリマー)、そのエステル、ポリ−α−シアノアクリル酸エステル類などが好ましく、乳酸−グリコール酸コポリマー(別名ポリ(ラクチド−コ−グリコリド)またはポリ(乳酸−コ−グリコール酸)であり、以後PLGAと称す)が最も好ましい。それ故に、一つの局面において本ポリマーはPLGAである。ここで使用する、用語PLGAは、乳酸のポリマー類(ポリラクチド、ポリ(乳酸)、またはPLAとも呼ぶ)を含む。]
[0029] 適当なPLGAポリマー類は、100:0〜50:50の範囲、簡便には95:5〜50:50の範囲の乳酸:グリコール酸のモル比を有し得る。例えば、PLGAポリマーは、乳酸:グリコール酸のモル比95:5または50:50を有し得る。]
[0030] 適当なPLGAポリマー類は、1〜5、好ましくは2〜4の範囲のブロック長を有し得る。]
[0031] 適当なPLGAポリマー類は、約3,000〜約50,000、好ましくは約4,000〜約40,000、およびより好ましくは約5,000〜約30,000ダルトンの重量平均分子量を有し得る。分散の程度(重量平均分子量/数平均分子量であって、以後多分散性と呼ぶ)は、約1.2〜約4.0、好ましくは約1.3〜約3.5の範囲であり得る。]
[0032] 当業者には認識される通り、重量平均分子量、数平均分子量および多分散性は任意の適当な方法または手段により、例えば1,000,000、130,000、50,000、20,000、10,000、5,000、2,000、および580のピーク分子量をそれぞれ有する狭い多分散性のポリスチレン参照物質を用いるサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)により決定し得る。この決定は、SECカラムMixed Bed D 5μm(Polymer Laboratories Ltd., UKにより製造)を使用し、そして移動相として5%メタノールのテトラヒドロフラン溶液を使用して、行い得る。]
[0033] PLGAは任意の慣用法により製造してよく、または商業的に入手可能であり得る。例えば、PLGAは、環状ラクチド、グリコリドなどからの適当な触媒を用いた開環重合化により製造できる(Encyclopedic Handbook of Biomaterials and Bioengineering Part A: Materials, Volume 2, Marcel Dekker, Inc. (1995); EP-0058481B2; Effects of polymerization variables on PLGA properties: molecular weight, composition and chain structure and Dorta et al, Int. J. Pharm., 100, pp 9-14 (1993)参照)。]
[0034] PLGAは、生物学的条件下(例えば温血動物、例えばヒトの組織に見られる水および生物学的酵素存在下)、加水分解性および酵素的開裂可能エステル架橋の破壊により乳酸およびグリコール酸を形成するため、固体ポリマー組成物全体の分解によって生分解性である。乳酸およびグリコール酸の両方とも、正常代謝の水溶性、非毒性生成物であり、さらに分解されて二酸化炭素と水を形成し得る。言い換えると、PLGAは、水の存在下、例えば温血動物、例えばヒト体内でのそのエステル基の加水分解により分解され、乳酸およびグリコール酸を生じ、酸性微小気候を作ると考えられる。乳酸およびグリコール酸は、正常な生理学的下で温血動物、例えばヒトの体内の種々の代謝経路の副産物であり、耐容性であり、全身毒性は最小限しか生じない。]
[0035] ポリマーは、本ポリマーの分解前に本PAを分散または封入し得る任意の適当な形態で提供される。例えば、本デポ製剤は、マイクロ粒子またはナノ粒子の形態、または液体形態の本ポリマーを、その中に分散または封入された本PAと共に含み得る。]
[0036] 適当なマイクロ粒子は、典型的に0.1〜1000μm、好ましくは1〜750μmおよびより好ましくは10〜500μmの範囲の平均粒子径を有する。]
[0037] 適当なナノ粒子は、典型的に1〜2000nm、好ましくは10〜1000nmおよびより好ましくは50〜500nmの範囲の平均粒子径を有する。]
[0038] 特に、マイクロ粒子は実質的に球形である(すなわちマイクロスフェアである)。]
[0039] ポリマーがマイクロ粒子の形態であるとき、マイクロ粒子は任意の適当な方法を使用して、例えば溶媒蒸発または溶媒抽出法により製造し得る。例えば、溶媒蒸発法では、本PAおよび本ポリマーを適当な揮発性有機溶媒(例えばケトン、例えばアセトン、ハロゲン化炭化水素、例えばクロロホルムまたは塩化メチレン、ハロゲン化芳香族性炭化水素、環状エーテル、例えばジオキサン、エステル、例えば酢酸エチル、ニトリル、例えばアセトニトリル、またはアルコール、例えばエタノール)に溶解し、適当な乳化安定剤(例えばポリビニルアルコール、PVA)を含む水相に分散させ得る。次いで有機溶媒を蒸発させて、本PAが中に封入されたマイクロ粒子を提供する。溶媒抽出法では、本PAおよび本ポリマーを極性溶媒(例えばアセトニトリル、ジクロロメタン、メタノール、酢酸エチルまたはギ酸メチル)に溶解し、次いで水相(例えば水/PVA溶液)に分散させる。エマルジョンを製造して、本PAが中に封入されたマイクロ粒子を提供する。噴霧乾燥がマイクロ粒子を製造するための別の製造技術である。]
[0040] 一つの局面において、本デポ製剤は、本PAが中に封入されたマイクロ粒子の形のポリマー(例えば上記したPLGA)を含み得る。例えば、本デポ製剤は、本PAが中に封入されたマイクロ粒子の形の50:50のラクチド:グリコリドモル比を有するPLGAポリマーを含み得る。かかるデポ製剤は、約30日間にわたる本PAの制御されたおよび/または持続的な放出に適し得る。さらに、一例として、本デポ製剤は、本PAが中に封入されたマイクロ粒子の形の95:5のラクチド:グリコリドモル比を有するPLGAポリマーを含み得る。かかるデポ製剤は、約60〜90日間にわたる本PAの制御されたおよび/または持続的な放出に適し得る。かかるデポ製剤はまた、最大120日間、最大150日間、または最大180日間にわたる本PAの制御されたおよび/または持続的な放出に適し得る。]
[0041] 本デポ製剤は本PAおよび本ポリマーを、任意の適当な量で含み得る。例えば、本デポ製剤は1〜30重量%の本PAおよび70〜99重量%の本ポリマーを含み得る。]
[0042] 例えば、本発明のデポ製剤がPLGAマイクロ粒子を含むとき、PLGAは、マイクロ粒子の約70〜約99重量%の範囲の量で存在し得る。このPLGAの量は、約1〜約30重量%の本PAがマイクロ粒子に充填されるときに使用し得る。また、本ポリマーのこの量は、本PAおよびPLGAを含むが、例えば、凍結乾燥前にマイクロ粒子を懸濁するために使用する、他の医薬賦形剤を含まないマイクロ粒子について計算される。PLGAは、約10〜約12重量%の本PAがマイクロ粒子に充填されるとき、マイクロ粒子の約88〜約90重量%の量で使用し得る。本ポリマーの割合は、典型的に使用する本PAの薬理学的活性の強度および本PAの遊離の速度と期間に依存する。]
[0043] 本デポ製剤は、さらに適当な薬学的に許容される希釈剤または担体を含んでよく、これは水混和性でなければならない。適当な希釈剤または担体は、例えば、残っている孔を急速に消滅させる適当な多孔性修飾剤(例えば塩化ナトリウム)および/または拡散速度を修飾するおよび/または多孔性を減らす適当な可塑剤を含む(例えば、Burgess, D. J., Hickey, A. J., Drugs and the Pharmaceutical Sciences (149) pp 305-353参照)。]
[0044] 希釈剤または担体は、本デポ製剤に任意の適当な量で包含され得る。例えば、希釈剤または担体は、総組成物の0〜50重量%の量で包含され得る。好ましくは、本デポ製剤はさらなる希釈剤または担体を含まない。]
[0045] 本デポ製剤は、典型的に処置を望む部位での、例えば関節での局所送達のために提供される。]
[0046] 本デポ製剤は、注射、例えば関節内注射による投与用に製剤してよい。それ故に、特に、本デポ製剤は注射可能形態(すなわち注射可能デポ製剤として)提供してよい。“注射可能”により、我々は、本デポ製剤がシリンジ内に吸引され、本デポ中の固体物質の存在により有害事象を引き起こさず、対象、例えば温血動物、例えばヒトに注射できることを意味する。例えば、本デポ製剤は、関節、例えば炎症を起こしている関節に注射可能である。言い換えると、関節内注射用デポ製剤が提供される。適当な関節は、膝、股、肩、足、肘、手、足指、指および脊髄椎間関節を含む。本デポ製剤は、関節に注射後そこに残り、制御されかつ持続した方法で、好ましくは30〜90日間の期間にわたり、本PAの局所送達を達成する。最大90日間にわたり制御されかつ持続した方法で本PAの局所送達を達成する本デポ製剤は、関節に行うべき必要な局所注射回数を最小化でき、これにより、有害作用の可能性のために関節への少量(約2ml)局所注射を年に3〜4回を超えてすべきではないことを助言する、関節内治療についての現在の推奨に本デポは合うために、有利である。]
[0047] 本デポ製剤は、罹患している関節の関節内空間、例えば罹患している関節の滑液含有部分、例えば骨関節症部位に注射するために製剤してよい。当業者には認識される通り、滑液は、関節の向かい合う複数の骨により規定される中央関節空間内に含まれる。本発明者らは、本デポ製剤の滑液への注射により、本PAが遊離され、血流には少量しか入らずに実質的に周りの組織に入る、すなわち本デポ製剤を投与した領域(例えば関節)でのPAの高局所濃度を達成し、低全身濃度を達成することを発見した。加えて、本デポ製剤は、投与初日に許容される“バースト”(すなわちPAの遊離)を提供し、これは使用に際して有利であり、先行文献、例えばバーストが僅かであるかないことが好ましいことを教示するUS−6,217,911の教示の点から、予期できない。本発明のデポ製剤により提供される有効な遊離プロファイルは先行文献から予期されるものではなく、デポ製剤の有効性を促進する。]
[0048] 好ましくは、本デポ製剤は、関節への注射による投与により、関節内の本PAの持続した高局所濃度、例えば100ナノモルを超える濃度を提供する。]
[0049] 注射可能デポ製剤は、水混和性でなければならない薬学的に許容される希釈剤または担体中の、本PAと本ポリマーの組合せの懸濁液または分散液を含み得る。適当な希釈剤または担体は、水性希釈剤または担体、例えば増粘剤(例えばナトリウムカルボキシメチルセルロース)、界面活性剤(例えばポリソルベート80)および/または浸透圧調節剤(例えば塩化ナトリウム)の等張性水性溶液を含む。注射可能デポ製剤はさらに活性剤、例えば局所麻酔を含み得る。]
[0050] 本発明のデポ製剤は、ヒト医薬または獣医使用のために製剤できる。例えば、ヒト医薬または獣医使用のための関節内注射剤に製剤したデポ剤が提供され得る。]
[0051] 本発明は、さらに、対象における、例えば酵素p38キナーゼの阻害により、サイトカイン類の作用を阻害するために使用される、ここで定義したデポ製剤を提供する。]
[0052] 本発明の他の局面によって、対象における、例えば酵素p38キナーゼの阻害により、サイトカイン類の作用を阻害するための、ここで定義したデポ製剤の使用が提供される。]
[0053] 本発明の他の局面によって、対象における、例えば酵素p38キナーゼの阻害により、サイトカイン類の作用を阻害するのに使用するための医薬の製造における、ここで定義したデポ製剤の使用が提供される。]
[0054] 本発明の他の局面によって、対象における、例えば酵素p38キナーゼの阻害により、サイトカイン類の作用を阻害する方法であって、該対象にここで定義したデポ製剤を投与することを含む、方法が提供される。]
[0055] 本発明は、さらに、対象における炎症性疾患、例えば骨関節症の予防または処置に使用するためのここで定義したデポ製剤を提供する。]
[0056] 本発明の他の局面によって、対象における炎症性疾患、例えば骨関節症の予防または処置のためのここで定義したデポ製剤の使用が提供される。]
[0057] 本発明の他の局面によって、対象における炎症性疾患、例えば骨関節症の予防または処置に使用するための医薬の製造における、ここで定義したデポ製剤の使用が提供される。]
[0058] 本発明の他の局面によって、対象における炎症性疾患、例えば骨関節症を予防または処置する方法であって、該対象にここで定義したデポ製剤を投与することを含む、方法が提供される。]
[0059] 本発明のデポ製剤を投与する“対象”は、動物、特に温血動物、例えば家畜動物またはヒト、特にヒトである。]
[0060] 本発明を、ここで、以下の非限定的実施例により説明する。]
[0061] 実施例1
PAとしてN−{5−[(シクロプロピルアミノ)カルボニル]−2−メチルフェニル}−3−フルオロ−4−(ピリジン−2−イルメトキシ)ベンズアミドを封入するPLGAマイクロ粒子を含む、デポ製剤を製造した。]
[0062] (i)マイクロ粒子製造
60mgのN−{5−[(シクロプロピルアミノ)カルボニル]−2−メチルフェニル}−3−フルオロ−4−(ピリジン−2−イルメトキシ)ベンズアミドおよび340mgのPLGA(ラクチド:グリコリドのモル比50:50であり、19.5KDの分子量)を3:1比のジクロロメタン/メタノール(2ml)に溶解した。次いで、この溶液を高剪断下に0.5%PVA w/vの水相に分散させ、エマルジョンを形成させた。この高剪断は、高流速の水相、例えば1000mls/分と共に静的ミキサーを使用して作った。得られたエマルジョンを30℃で水(1250ml)に添加し、500rpm(HeidolphRZR1スターラーを使用)で1時間撹拌した。得られた懸濁液を氷浴で冷却し、マイクロ粒子を45分間沈降させた。約90%(容量で)の上清を、沈降したマイクロ粒子を撹拌しないように注意しながら除いた。水(1L)を添加し、この工程を繰り返した。約95%(容量で)の上清を除き、マイクロ粒子をガラス試験管に移した。洗浄/沈降サイクルをさらに2回繰り返し、マイクロ粒子を、最少量の水と共にフリーズ・ドライバイアルに移した。バイアルを液体窒素で急速冷凍し、マイクロ粒子を48時間フリーズ・ドライした。]
[0063] (ii)インビトロ遊離プロトコール
N−{5−[(シクロプロピルアミノ)カルボニル]−2−メチルフェニル}−3−フルオロ−4−(ピリジン−2−イルメトキシ)ベンズアミドを50:50PLGAに含む0.8mgのマイクロ粒子を、0.1%w.v Tween 80含有PBS(20ml)に懸濁した。得られたスラリーを37℃で静置し、24時間目に媒体(1ml)を取ってサンプルを得て、続いて実験中の媒体の容量を一定であることを確実にするために媒体(1ml)を添加した。サンプを、本デポがN−{5−[(シクロプロピルアミノ)カルボニル]−2−メチルフェニル}−3−フルオロ−4−(ピリジン−2−イルメトキシ)ベンズアミドをもはや遊離しなくなるまで定期的に取り(図1参照)、HPLCで分析した。結果を下記表1に示す。] 図1
[0064] 50:50PLGAのマイクロ粒子は高い封入効率を提供し、約13%のN−{5−[(シクロプロピルアミノ)カルボニル]−2−メチルフェニル}−3−フルオロ−4−(ピリジン−2−イルメトキシ)ベンズアミド充填を生じる。インビトロ遊離プロファイルデータを図1に示す。インビトロ遊離試験は、50:50 PLGAマイクロ粒子中のN−{5−[(シクロプロピルアミノ)カルボニル]−2−メチルフェニル}−3−フルオロ−4−(ピリジン−2−イルメトキシ)ベンズアミドが、インビトロで1日目に許容されるバーストを有し、そして1ヶ月にわたり遊離されることを示す。50:50 PLGA(表1)を使用して製造した2個のバッチは良好な再現性を示した。] 図1
[0065] 実施例2
PAとしてN−{5−[(シクロプロピルアミノ)カルボニル]−2−メチルフェニル}−3−フルオロ−4−(ピリジン−2−イルメトキシ)ベンズアミドを封入するPLGAマイクロ粒子を含むデポ製剤を製造した。]
[0066] (i)マイクロ粒子製造
60mgのN−{5−[(シクロプロピルアミノ)カルボニル]−2−メチルフェニル}−3−フルオロ−4−(ピリジン−2−イルメトキシ)ベンズアミドおよび340mgのPLGA(95:5のモルラクチド:グリコリド比で、23KDの分子量)をジクロロメタン/メタノール3:1比(2ml)に溶解した。次いで、この溶液を高剪断下に0.5%PVA w/vの水相に分散させ、エマルジョンを形成させた。この高剪断は、高流速の水相、例えば1000mls/分と共に静的ミキサーを使用して作った。得られたエマルジョンを30℃で水(1250ml)に添加し、500rpm(HeidolphRZR1スターラーを使用)で1時間撹拌した。得られた懸濁液を氷浴で冷却し、マイクロ粒子を45分間沈降させた。約90%(容量で)の上清を、沈降したマイクロ粒子を撹拌しないように注意しながら除いた。水(1L)を添加し、この工程を繰り返した。約95%(容量で)の上清を除き、マイクロ粒子をガラス試験管に移した。洗浄/沈降サイクルをさらに2回繰り返し、マイクロ粒子を、最少量の水と共にフリーズ・ドライバイアルに移した。バイアルを液体窒素で急速冷凍し、マイクロ粒子を48時間フリーズ・ドライした。]
[0067] (ii)インビトロ遊離プロトコール
N−{5−[(シクロプロピルアミノ)カルボニル]−2−メチルフェニル}−3−フルオロ−4−(ピリジン−2−イルメトキシ)ベンズアミドを95:5PLGAに含む0.8mgのマイクロ粒子を、0.1%w.v Tween 80含有PBS(20ml)に懸濁した。得られたスラリーを37℃で静置し、24時間目に媒体(1ml)を取ってサンプルを得て、続いて実験中の媒体の容量を一定であることを確実にするために媒体(1ml)を添加した。サンプを、本デポがN−{5−[(シクロプロピルアミノ)カルボニル]−2−メチルフェニル}−3−フルオロ−4−(ピリジン−2−イルメトキシ)ベンズアミドをもはや遊離しなくなるまで定期的に取り(図2参照)、HPLCで分析した。結果を下記表2に示す。] 図2
[0068] N−{5−[(シクロプロピルアミノ)カルボニル]−2−メチルフェニル}−3−フルオロ−4−(ピリジン−2−イルメトキシ)ベンズアミドを有するマイクロ粒子は高い封入効率を提供し、約13%のPA充填を生じる。完全インビトロ遊離プロファイルデータを図2に示す。インビトロ遊離試験は、95:5PLGAマイクロ粒子中のN−{5−[(シクロプロピルアミノ)カルボニル]−2−メチルフェニル}−3−フルオロ−4−(ピリジン−2−イルメトキシ)ベンズアミドがインビトロで1日目に許容されるバーストを有し、そして3ヶ月にわたり遊離されることを示す。] 図2
[0069] 実施例3
インビボでの50:50PLGAマイクロ粒子中のN−{5−[(シクロプロピルアミノ)カルボニル]−2−メチルフェニル}−3−フルオロ−4−(ピリジン−2−イルメトキシ)ベンズアミドの遊離特性を試験した。]
[0070] 製剤化していないN−{5−[(シクロプロピルアミノ)カルボニル]−2−メチルフェニル}−3−フルオロ−4−(ピリジン−2−イルメトキシ)ベンズアミドを、ラットに関節内注射し(PBS中5μl注射液中15ng)、滑液濃度を投与15分、30分および60分後に測定した。ラット膝関節からの滑液を、膝洗浄方法を使用してサンプリングした。膝を暴露し、横切断を膝蓋腱近位から脛骨まで成した。膝腔を切開して開き、膝を脛骨と大腿関節丘の間で、エッペンドルフピペットを使用して3×25μl PBSで洗浄した。この実験から計算したPAの滑液中の薬物動態学的パラメーターを下記表3に示す:]
[0071] 50:50PLGAマイクロ粒子中のPAとしてのN−{5−[(シクロプロピルアミノ)カルボニル]−2−メチルフェニル}−3−フルオロ−4−(ピリジン−2−イルメトキシ)ベンズアミド(実施例1の通りに製造)をラットに関節内投与し(30μl中200μg)、滑液濃度を投与1日、4日、7日、14日および21日後に決定した。この試験で得られたデータを、この製剤のインビトロ遊離特性(実施例1参照)に基づく予測される滑液濃度の模擬実験および遊離薬剤の滑液からの計算されるクリアランス(Cl=61μl/時間)と共に、図4にグラフとして示す。] 図4
[0072] このデータは、50:50PLGAマイクロ粒子中のPAとしてのN−{5−[(シクロプロピルアミノ)カルボニル]−2−メチルフェニル}−3−フルオロ−4−(ピリジン−2−イルメトキシ)ベンズアミドが、ラットに関節内注射されたとき、21日間滑液中に持続的に遊離され得ることを明らかに示す。加えて、予測された濃度と測定濃度の間は良く一致し、インビトロ遊離アッセイがこの製剤のインビボ行動の良好な予測因子(predictor)であることを示唆する。]
[0073] 50:50PLGAマイクロ粒子中のPAとしてのN−{5−[(シクロプロピルアミノ)カルボニル]−2−メチルフェニル}−3−フルオロ−4−(ピリジン−2−イルメトキシ)ベンズアミド(実施例1の通り)を、続いてラットに関節内投与し(200μg)、血漿濃度を投与後24時間までおよび21日目に決定した。得られたデータを、インビトロバースト遊離特性に基づく予測される血漿濃度の模擬実験、遊離薬剤の滑液からの計算されるクリアランス(Cl=61μl/時間)およびラットにおけるこの化合物の全身的薬物動態学的パラメーター(Cl=14ml/分/kg、Vdss=1.7l/kg)と共に、図4および図5に各々グラフとして示す。] 図4 図5
[0074] 図4および5に示す通り、PAの血漿濃度はナノモル範囲(図3に示す通り、マイクロモル範囲である滑液と比較のこと)であり、本発明のデポ製剤の手段による関節内送達が、デポ製剤からのPA流出ピーク時でさえ、全身暴露を有効に緩衝できるとの概念を確認する。このデータの要約を、図6に同じスケールで示す(図中“予測SF”は上の線であり、そして“予測血漿”は下の線である)。関節内に注射されたマイクロ粒子は、バースト効果により僅かな量のPAしか損失させず、低血漿濃度をもたらし、それ故毒性のリスクを最小限にする。] 図3 図4 図6
[0075] 要約すると、PLGAマイクロ粒子中にPAを含むデポ製剤は、ラットに関節内注射したとき(200μg)、滑液に最大21日間持続して遊離させ、そしてバースト効果が低下したことにより、投与直後の血漿濃度を極めて低くすることができる。さらに、インビトロ遊離アッセイは、50:50 PLGAマイクロ粒子に関してインビボ行動の良好な予測因子である。]
[0076] 実施例4
ラットでの50:50PLGAマイクロ粒子中のN−{5−[(シクロプロピルアミノ)カルボニル]−2−メチルフェニル}−3−フルオロ−4−(ピリジン−2−イルメトキシ)ベンズアミドの遊離特性をインビボで試験した。]
[0077] 50:50PLGAマイクロ粒子中のPAとしてのN−{5−[(シクロプロピルアミノ)カルボニル]−2−メチルフェニル}−3−フルオロ−4−(ピリジン−2−イルメトキシ)ベンズアミド(実施例2の通り)を、次いでラットに関節内投与し(200μg)、血漿濃度を投与後最大91日間決定した。得られたデータを図7にグラフとして示す(これは、ラットでの95:5 PLGAマイクロ粒子中のPAのインビボ遊離プロファイルを示す)。] 図7
[0078] 要約すると、PLGAマイクロ粒子中にPAを含むデポ製剤を、ラットに関節内注射したとき(200μg)、バースト効果の低下により投与直後の血漿濃度を極めて低くする、91日間の血漿内の遊離プロファイルを証明する。]
[0079] 実施例5
デポ製剤中のPAとしてのN−{5−[(シクロプロピルアミノ)カルボニル]−2−メチルフェニル}−3−フルオロ−4−(ピリジン−2−イルメトキシ)ベンズアミドの持続効果を試験した。]
[0080] 全試験を、関節炎症および破壊により誘発される疼痛の鎮痛についてのスクリーニングとして、ラット関節痛のモノヨード酢酸(MIA)モデルで行った(Ivanavicius et al., 2007 Pain 128 p272参照)。MIAモデルは初期滑膜炎(3日目)を、続いて関節軟骨の進行性の損失、および軟骨下骨病理を14日目までに誘発する。]
[0081] N−{5−[(シクロプロピルアミノ)カルボニル]−2−メチルフェニル}−3−フルオロ−4−(ピリジン−2−イルメトキシ)ベンズアミドを、PLGAマイクロスフェア(実施例1の通り50:50PLGA)に製剤し、MIAモデルで試験した。ラットにMIAを0日目に関節内注射した。MIA3日後(疾患を進行させるため)、動物に製剤した50:50 PLGA中のN−{5−[(シクロプロピルアミノ)カルボニル]−2−メチルフェニル}−3−フルオロ−4−(ピリジン−2−イルメトキシ)ベンズアミド(200μg/30μl)またはマイクロスフェア製剤(30μl)を関節内注射した。データを図3に示し、このデータは、製剤したN−{5−[(シクロプロピルアミノ)カルボニル]−2−メチルフェニル}−3−フルオロ−4−(ピリジン−2−イルメトキシ)ベンズアミドの注射後に即時のかつ持続した効果があることを明らかに示す。この場合の体重負荷不均衡正常化は、投与48時間後に統計学的に有意であり、投与6日目から試験の終わり(投与18日目)を図8にグラフとして示す。] 図3 図8
[0082] これは製剤したPLGAマイクロスフェア中のN−{5−[(シクロプロピルアミノ)カルボニル]−2−メチルフェニル}−3−フルオロ−4−(ピリジン−2−イルメトキシ)ベンズアミドを使用して、持続した効果が得られることを証明する。体重負荷不均衡が完全に回復した。]
[0083] 実施例6
実施例5と同等な試験を行い、製剤化していないN−{5−[(シクロプロピルアミノ)カルボニル]−2−メチルフェニル}−3−フルオロ−4−(ピリジン−2−イルメトキシ)ベンズアミドの効果を評価した。29μg/ml(69μM)用量のN−{5−[(シクロプロピルアミノ)カルボニル]−2−メチルフェニル}−3−フルオロ−4−(ピリジン−2−イルメトキシ)ベンズアミドを、5μl注射容量で送達し、1.5時間で1μMのCmin濃度を得た。PAとして製剤したN−{5−[(シクロプロピルアミノ)カルボニル]−2−メチルフェニル}−3−フルオロ−4−(ピリジン−2−イルメトキシ)ベンズアミドの投与と同時にMIA3日間後に投与を行った。データを図9に示し、これは、MIAモデルで製剤化していないN−{5−[(シクロプロピルアミノ)カルボニル]−2−メチルフェニル}−3−フルオロ−4−(ピリジン−2−イルメトキシ)ベンズアミドが3日目に効果のないことを明らかに示し、薬力学的効果を実現するためには、関節内で長時間維持される関節内のデポ製剤化したN−{5−[(シクロプロピルアミノ)カルボニル]−2−メチルフェニル}−3−フルオロ−4−(ピリジン−2−イルメトキシ)ベンズアミドの絶対的な必要性を示す。] 図9
図面の簡単な説明

[0084] 原文に記載なし]
权利要求:

請求項1
(i)薬剤(PA)としてのN−{5−[(シクロプロピルアミノ)カルボニル]−2−メチルフェニル}−3−フルオロ−4−(ピリジン−2−イルメトキシ)ベンズアミド、またはその薬学的に許容される塩および(ii)分解して酸性微小気候を作るポリマーを含むデポ製剤であって、該PAがポリマー分解により該ポリマーから遊離される、デポ製剤。
請求項2
ポリマーがヒドロキシ脂肪酸のポリエステルおよびその誘導体、アルキルα−シアノアクリレートのポリマー、ポリアルキレンオキサレート、ポリオルトエステル、ポリカーボネート、ポリオルト−カーボネート、ポリアミノ酸、ヒアルロン酸エステル、およびそれらの混合物から選択される、請求項1に記載のデポ製剤。
請求項3
ポリマーが乳酸−グリコール酸コポリマーである、請求項2に記載のデポ製剤。
請求項4
乳酸−グリコール酸コポリマーが、100:0〜50:50の範囲の乳酸:グリコール酸のモル比を有する、請求項3に記載のデポ製剤。
請求項5
乳酸−グリコール酸コポリマーが、95:5の範囲の乳酸:グリコール酸のモル比を有する、請求項4に記載のデポ製剤。
請求項6
乳酸−グリコール酸コポリマーが、50:50の範囲の乳酸:グリコール酸のモル比を有する、請求項4に記載のデポ製剤。
請求項7
約30〜90日間にわたりPAの制御されたおよび/または持続的な放出をするために製剤された、請求項1〜6のいずれか1項に記載のデポ製剤。
請求項8
約30日間にわたりPAの制御されたおよび/または持続的な放出をするために製剤された、請求項7に記載のデポ製剤。
請求項9
約60日間にわたりPAの制御されたおよび/または持続的な放出をするために製剤された、請求項7に記載のデポ製剤。
請求項10
約90日間にわたりPAの制御されたおよび/または持続的な放出をするために製剤された、請求項7に記載のデポ製剤。
請求項11
注射による投与のために製剤された、請求項1〜10のいずれか1項に記載のデポ製剤。
請求項12
関節内注射による投与のために製剤された、請求項11に記載のデポ製剤。
請求項13
ヒト医薬使用のために製剤された、請求項1〜12のいずれか1項に記載のデポ製剤。
請求項14
獣医使用のために製剤された、請求項1〜12のいずれか1項に記載のデポ製剤。
請求項15
骨関節症の予防または処置のための、請求項1〜14のいずれか1項に記載のデポ製剤。
請求項16
骨関節症の予防または処置のための、請求項1〜14のいずれか1項に記載のデポ製剤の使用。
請求項17
本明細書に一般的に記載したデポ製剤。
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